通して感じた事で共通性がありそうなお話をさせていただきました。
今日たまたま検索をして、その講演会に出て下さった方が去年の講演で
言ったひとつのフレーズについて最近また思い出して下さったことを知
りました。
『機能を増やすには技術がいるが、機能を減らすには哲学がいる』
そうお話したんです。
この言葉を思いついたのは、今から20年ほど前の事です。当時わたしは
メーカーでCDプレーヤーのデザインを担当していました。1980年代の
半ばCDが爆発的に普及をはじめ、同時にCDプレーヤーもどんどん売れ
ていた時代でした。わたしが属してメーカーはその中でもトップメーカ
ーでした。
その会社で最高級の製品を作ろうということになりその担当デザイナー
として関わっていました。
その製品の仕様を検討している時に考えた(いや実際に会議の席で言い
ましたね)のが「技術を・・・・・」というフレーズでした。
あたらしい技術が毎日のように考えつかれそれがかたちとなって出てく
るわけです。半年きざみで新製品が次から次から生まれてくるような時
代でした。 その中にあって「踏みとどまる」「機能を減らす」という
のはかなり勇気がいりますよ。
『機能を減らすと発言するのは勇気がいる』わけです。しかしそこでそ
う言えたのには多少理由があります。
オーディオにおいて最高の性能とは、つまり「原音に近い音を再生する」
ことに他なりません。 実際の演奏者は観客の歓声に応えて『今のフレ
ーズもう一回やります?』なんて聞いてはくれません。
その自由にならなさが妙に「ハッピー」だったりするわけです。そうい
う不自由さを極めたいと思っているのがそういう高級なオーディオを求
める人の心理だと何年かその世界でデザインしていたわたしの「直感」
でした。
「歌と歌の間の音になっていないいきづかいを感じたい」「あのミスっ
たところがちゃんと再現されている」そういう境地です。
そういう人達にとってはCDには本人が封入されていると思えるのです。
(わたしの想像)
ですから利便性よりも「演奏者が演奏し易い舞台を用意する」ような気
持で配線に気を配り置き場所にこだわり、「照明」にも神経をすり減ら
し、やっとCDプレーヤーにスイッチをいれるのです。
「機能」というのは、もっと全体との関わりで生まれてくるのです。
技術の人は、あたらしい機能でもって自分の高い技術を証明したい押さ
えがたい気持があります。しかし同時に音楽を人一倍好きな人の集団で
もあります。
そういうところにあって「カタチ」を論じるのは、外観の事ではありま
せん。どうやったらその舞台をうまく気持よく引き立てるかその役割の
ひとりにすぎません。
なぜタイトルを「ライフスタイルデザイン」としたかというと、ものを
説得するのに会議の席で突然『減らす方が哲学だぜ』といっても説得力
がないんですね。
『わたしは普段から素うどんかかけうどんしか食べません。それはなぜ
かと言えば素材の良さが一番良くわかるからです』
そういう生活(ライフスタイル)があってはじめて『減らす方が本来の
良さが分かるのです』という言葉に説得力が生まれると思うからです。
はじめまして。
シンプルなそのモノの「良さ」が分かって初めて、進化させることができるということでしょうか。
『機能を増やすには技術がいるが、機能を減らすには哲学がいる』
この言葉の良さをちゃんと知る為にも秋田さんのブログ、これからじっくり拝読します!
興味があっても不勉強なので、、