STUDIO VOICE

スタジオ・ボイス

VOL.409

2016年10月20日(木)発売

 

「n i g h t  s t o r i e s」

 

夜に読むものだけを集めたもの。

夜から生まれてきた話。

昼の休みに見るのではなく、

眠れない夜に

体をベッドに投げ出して、

仰向けに寝転がり、

天井のぼやけた明かりを眺めながら、

始まらなかった夜の

スイッチを押したい。

汗と涙を撒き散らす

暑く長い夏が過ぎ、

澄んだ空と冷たい空気とともに

長い夜の季節がやってくる。

俺たちの夜が。

夜はユースのものだ。

夜はゆりかごだ。

夢や希望は夜に生まれ

そこで産声をあげ、

そこから羽ばたく。

無駄に過ごしたと叫ぶ夜。

酒で記憶の飛んだ夜、

横の奴の顔を意味なく撮った夜や、

延々と爆音を垂れ流す夜、

気付けば昼まで踊ってた夜。

独り言を書き綴る夜。

どれも無駄な夜とは言わせない。

寝ている奴らに、言ってやれよ。

何も始まらなかった奴らに。

俺たちが勝者だと。

思い出も、アイディアも

何もかもが夜に生まれる。

昼間のだらだらと流れるスピードの

何倍の速さと、濃さで夜は流れる。

着ているものも、聴いている音も、

思想も、

何もかもだ。

今夜もこの地球のどこかで、

若い誰かが、一人夜明けが来るのを恐れながら、

暗闇の中に編み出した

妄想を実行に移してるんだ。

何度でも言うよ、

夜はユースのものだ。

したり顔のおっさんたちは

夜だけは支配できない。

だからあいつらは禁止するんだよ。

自由にさせたくないんだよ。

知らない間にことが起こるのを

奴らは恐れる。

それにあいつらは

無駄打ちができない体質なんだ。

自分の欲が満たされる保証がなけりゃ、

朝日なんて迎えない。

あいつらがいない間に

奪ってしまえよ、奴らの領土を。

朝が来たら

変わった景色にびっくりさせなよ。

いつやんだ?

いつ始めるんだ?

今夜だ。