――前作は岡崎さんの漫画を原作としてアニメ化されましたが、レザレクションは漫画がありませんよね?どのように制作されたんですか?
岡崎:監督とプロデューサーと色々話をしました。プロットの開発だけで半年くらいかけました。
――2作目を制作するにあたり、どうしてもやりたかった事などありますか?
岡崎:オープニングの、アフロがヘコんでいるシーンは絶対に外せないところです。復讐も果たして、ションボリしてるシーンだけは外さないで下さいとオーダーしました。
パート1で、自分の復讐のために殺した人達への供養の為に仏像を彫っているシーンなんですが、アメリカ人から「何でアフロはフィギュアを作ってるんだ?」って言われて・・・全然伝わらないんですよね(笑)。監督も意味がわかるようにしっかり演出してくれてたはずなんですけど。
お話をお伺いしていると、まさにアメリカンドリームを成し遂げた感じですが、映画が公開されて何か変わりましたか?
岡崎:仕事でいうと、アニメの仕事が増えました。最近はアニメの仕事が多いので、有難いことです。ただのアニメファンだったのに(笑)。
――おもしろいアイデアがたくさんですが普段は何処で情報を得るんですか?
岡崎:『アフロサムライ:レザレクション』のキャラクターに関しては、監督とプロットを考えているときの駄話です(笑)。毎週10時間ぐらい打ち合わせをしたのですが、そのうちの9時間半は駄話で、最後の30分ぐらいで「こんな感じの流れで・・・あとは宿題ね」って(笑)。でも、その9時間半の中から生まれたものがほとんどですね。
――今度、日本で初めてアフロサムライのコミックが発売されますね。
岡崎:そうなんです。アメリカで最初に発売されて、イタリア語版、フランス語版が出版されて、今度ポルトガル語版が出るんですが、ついに日本語版が出ます!日本語版だけ表紙を描き下しました。 是非、日本の人たちにも見てほしいです。
――今までに影響をうけたものは?
岡崎:山ほどあります。スターウォーズ、子連れ狼、黒澤明、三隅研次、HIP HOP、SOUL MUSIC、ターミネーター、ロボコップ、プリズナーNo.6、イデオン・・・切りがないですね。スプラッタ表現は若山富三郎版の子連れ狼だったり、原作(漫画版)の子連れ狼からは、かなり影響を受けてますし、あらゆるものから影響を受けてます。
――踊る大捜査線の湾岸太郎から、最近ではサマーウォーズのアバターデザインまで、幅広くといいますか、アフロとは極端に異なるキャラクターのデザインもされたりしますが、アイディアの根源はなんですか?自分を構築しているものというか。
岡崎:湾岸太郎などの可愛いキャラクターを描くのも大好きなんです。でも駆け出しの頃はそういうポップな絵の仕事しかなかったので、その反動もあって、趣味でアフロを描いていたんです。今はそれが両方が仕事になっているので、本当に嬉しいです。
デザインを考えるときは、「僕に話が来るという事は、普通のものは求められていないんだな」って勝手に思って、その作品の世界観やキャラクターの性格なども勿論考えますが、それとは別に自分の好きなもの(今回で言うと、ひょっとこがお面を取った顔がキカイダー風だったりとか・・・)を毎回必ず入れていくようにしてます。そこがないと、僕がデザインしてる意味がないのかなと思って。サマーウォーズのキングカズマも、僕がHIP HOP好きなのでアディダスのハイカットスニーカーにダウンベストを着ているっていうスタイルにしたりとか。
――この映画を通じて得たいちばん大きなモノ、そして思い出を教えてください。
岡崎:すごくベタですが、自分のやっていることに以前よりも少し自信が持てるようになったと思います。
普通ですが・・・今までやってきたことは間違ったてはいなかったんだなと。
――岡崎さんが今後目指しているものはなんですか?目標とか、やりたい事とか。
岡崎:アフロがここまで大きくなってしまったので、何をやろうかとか、何をやりたいのかとかすごく悩んでいて、何も出来ない状態がしばらく続いてました。でも今は、結局やってて楽しいことしか出来ないので、それを続けていこうと思ってます。
アフロは20代のころの作品なので、全て無責任なんですよ(笑)。言いっぱなしなんです。でも今35歳になって、もうちょっと考えた方がいいのかなとか、もうちょっと責任持った方がいいのかなとか考えたり。でも、そこで止めちゃうと面白いものが出来ないなとか・・・どこまで本当に自分がやりたいことが出せるかというのが今後の課題ですね。どこまで無責任になれるか。無責任感ってモノを作っている人には大事だと思います。20代のころとは違った無責任感、もう一ひねりしたものが出せれば、また面白いものが作れるのかなぁと思ってます。
――STUDIO VOICE ONLINEはクリエイターを目指す多くの方々がご覧になっていると思いますが、その方たちにアドバイスをいただくとしたら?
岡崎:辞めないことだと思います。とりあえずやり続けることです。
ボクが駆け出しのころはイラストレーターって星の数ほどいて、その中から抜け出さなくてはいけないって、すごく大変だなって思ってたんです。だけど、続けていると、みんなが辞めていってしまうんですよ。いつのまにか周りのイラストレーターが減っていて。辞めないことで、次に繋がると思います。

岡崎能士(おかざき たかし)
1974年3月27日、神奈川県生まれ。多摩美術大学・彫刻科卒業。
イラストをメインに、漫画、CDジャケットデザイン、オブジェ制作、ライヴペインティング等、様々なフィールドで活躍中。自身の原作コミック『AFRO SAMURAI』(全2巻)も米国にて2008年9月に発売を果たし、全米デビューを飾る。また、2009年12月には待望の日本発売が決定!
<代表作>
映画『サマーウォーズ』アバターデザイン
映画『交渉人真下正義』マスコットキャラクター「メトロ太郎」デザイン
映画『踊る大捜査線2-レインボーブリッジを封鎖せよ!』マスコットキャラクター「湾岸くん」デザイン
映画『スペーストラベラーズ』コンセプトデザイン、キャラクター原案
ロックバンド 「RIZE」CDジャケット、ライヴグッズデザイン等
米映画『スパイダーマン2』DVD特典用イラスト
米映画『BLADE III』CDブックレットコミック

「闇の剣客道」の掟に従い、世界を制する“一番”のハチマキを持つ男に闘いを挑んだアフロサムライ。壮絶な闘いの後、父の仇であったジャスティスを倒し、復讐を終えた数年後…。「闇の剣客道」の頂点に君臨することなく、今まで斬ってきた者たちの魂を供養するために仏像を彫り続け贖罪の日々を送っていたアフロ。しかし、ハチマキを廻る血の宿命は再び彼を流血の連鎖へと向かわせる・・。死んだはずのかつての兄弟子、クマ侍:仁之助、そして謎の女:シヲが、今度はアフロへの復讐を誓い“一番“のハチマキを奪いに現れる。
監督:木ア文智
原作:岡崎能士
脚本:むとうやすゆき、LEO CHU & ERIC GARCIA、ERIC CALDERON、JOSH FIALKOV (英語版)
キャラクターデザイン、総作画監督:飯島弘也
美術監督:池田繁美
音楽:The RZA
CAST:サミュエル・L・ジャクソン、ルーシー・リュー、マーク・ハミル
制作協力:SPIKE TV、UPPITY FILMS
アニメーション制作:GONZO
製作:GONZO
後援:XLARGE、アニメ「バジリスク〜甲賀忍法帖〜」 ポニーキャニオン
2009年/日本/カラー/ビスタサイズ/ステレオ/100分/英語
09年12月、シネマライズほか全国ロードショー!




