佐藤礼央 × 信藤三雄 スペシャル対談

注目の異ジャンル・アーティストによるスペシャル対談

「クリエイターのサポート」をコンセプトにするSTUDIO VOICE ONLNEが今回試みたのは、今注目の若手音楽家・佐藤礼央と、長年第一線で活躍しているアートディレクター・信藤三雄との接触。
ジャンル、年齢など様々な点で大きな違いがある彼らの間に起こった化学反応とはいかなるものか。まずは、好きな映画をランキング形式でピックアップしてお互いの趣味を確かめ合うことに。その後、作品をつくる際の心境や過程など、気になる話題に移行した。アーティスト同士だからこそ引き出すことができた貴重な言葉は必見。

好きな映画ランキング

好きな映画について

信藤三雄(以下、信):音楽って、青春時代に聴いたときの感激以上を求めて聴き続けているんですけど、正直いってそれを超えられない。でも映画って(好きな映画の)第1位に『アバター』を上げたように、青春時代を超えられるってことを最近発見しましたね。

佐藤礼央(以下、佐):青春時代にはどういった映画を観られていましたか?

信:ゴダールの作品や、ザ・ビートルズの『ビートルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!』とか『ヘルプ』とか。その辺の映画をリアルタイムで観て、本当に感動しました。自分が映像をつくるとき、自然とそういうものを引用したり、そういう画を求めたりしちゃいますね。

佐:僕は大林宣彦監督の作品が好きで、ずーっと観てました。

『ビートルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!』
『ビートルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!』
監督:リチャード・レスター
出演:ザ・ビートルズ
  『ヘルプ』
『ヘルプ』
監督:リチャード・レスター
出演:ザ・ビートルズ
  『さびしんぼう』
『さびしんぼう』
監督:大林宣彦
出演:富田靖子 他

(佐藤礼央のランキングを見ながら)小津安二郎さんの作品は僕も好きです。小津さんの世間の評価って、いわゆる「大映画監督」じゃないですか。けど、あの方って芝居にそう興味がなかったのかな?って気もするの。すごい非難を浴びそうですが(笑)。演技とかぎこちなかったり、切り替えしも妙にとってつけたようでナチュラルではないんですよね。ある種、演劇的ともいえるんですけど。
ビジュアルで撮ってるって感じがするんですよね。僕はそこがすごく好き。「日本的な美」みたいなところにこだわりをもっていて、すごく共感できますね。

対談風景01

信:(佐藤礼央のランキングを見ながら) 大島渚さんね。

佐:僕はこの映画の中で、電車の中の青い映像に武満徹の音楽がふーっと入ってくるシーンが好きです。背景音のように映像に音楽が貼り付いた感じがして、ウワーッと思いました。その一瞬がすごく綺麗だな、と思ったんです。

信:大島渚さんってそういうところがありますね。音楽の使い方がうまいんですよ。

佐:その他には、実は最近、森繁久彌さんの「社長シリーズ」が好きで…(笑)。

信:ああ、いいですね。ああいう映画をつくりたいなーって、ずっと思っています。

「ミュージシャンになりたい」願望が一番強いです(笑) (信藤三雄)

佐:信藤さんの映画って、昭和な雰囲気ですよね。何をきっかけに映画を撮るんですか?

信:最初につくった映画『代官山物語』は『いいじゃないの幸せならば』という曲を夏木マリさんに歌ってもらおう、と思ったのね。そこだけ。映画の中でどう活かせるか、ということをすごく考えました。

『男はソレを我慢できない』は、『今夜はブギーバック』をエンディングに使いたいっていう思いから。竹中直人さんが主演だったから、竹中さんにラップやってもらったらどうなんだろうなって思いました。
僕の場合、音楽ありきですね。音楽から先に決めていくっていうのがあるみたいです。

『代官山物語』
『代官山物語』
監督:信藤三雄
出演:夏木マリ 他
『男はソレを我慢できない』
『男はソレを我慢できない』
監督:信藤三雄
出演:出演:竹中直人 他

佐:昔から映画を撮ろうと思っていたんですか?

信:いや、正直、映画にそんなに思い入れはないんですよ。ていうよりも、音楽が好きで。「ミュージシャンになりたい」願望が一番強いです(笑)。

佐:若いころからギターなど何か楽器をされていたんですか?

対談風景01

信:ギター弾いて、バンドも何回かやりました。

佐:スクーターズ!

信:はい。けど、コードもよく知らないし、基本的に練習にが手なんですよ(笑)。ただ、自分でいうものもなんですが、僕の頭の中は非常に編集的だからサンプリングを使って音楽を作ることはすごくうまいんですよ(笑)。
スクーターズをやってるとき、Aメロはここ、Bメロはこの曲、サビはこの曲とか色んな曲のパートをテープで作ったことがありました。もし当時サンプリングマシーンがあれば、もっと完成度の高いものができたんじゃいかな。

佐:難しいですよね。僕も趣味で編集するんだけど、なんか違和感が残っちゃう。

信:やっぱり、音楽が一番好きなんですよね。PVは楽曲ありきで映像をつくる作業だから、逆のことをしたくなったりします。
だから、映画は本当に自分の好きな曲をつけて映像を活かせる。そこが映画づくりの一番好きなところですかね。

かつて青春時代に観た『イージー・ライダー』のバイクに乗っているシーンでステッペン・ウルフの『ボーン・トゥ・ビー・ワイルド』がかかったときの高揚感が忘れられないのかな。それをずっとやりたいと思っている気がすます。

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Profile

脚本・監督:SABU

佐藤礼央/Leo Sato(左)

作曲家。1981年生まれ。東京都在住。青山学院大学在学中より、音楽レーベル”Sound+Light”を立ち上げる。自身の作品制作の他にも、CM、テレビ、WEBなどの音楽を数多く手掛ける。2009年にはETUDE LLP.の立ち上げに携わり個展や映像のサウンドデザインなど活動の幅を広げている。
<代表作>
『NOTE:』2005年
『白い壁の赤いビーズ』2006年
『She will still keep dreaming』2010年

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信藤三雄/Mitsuo Shindo(右)

アートディレクター/フォトグラファー/書道家/空間プロデューサー/映像ディレクター。85年、コンテムポラリー・プロダクション設立。松任谷由実、ピチカート・ファイヴ、Mr.Children、MISIA、元ちとせなど、これまで手掛けたレコード&CDジャケット数は1000枚にせまる。08年以降、自身の新境地である書を表現手法として多くの作品を作り続けており、個展の開催等活動を広げている。

Release

佐藤礼央/Leo Sato
NEW ALUBM
『Kodemari Merry』
2010年4月20日発売予定

「収録曲」
01.Kodemari/コデマリ
02.A girl playing with light/光と遊ぶ少女 
03.Satellite/永遠に続く夜
04.Night sky/空飛ぶ魔法使い 
05.She smiles with the sun/彼女の声 
06.Toko/ほくろのある女の子
07.Shake a bell/恋するゾウさん
08.Walk/散歩
09.Dancing heart/真昼の庭
10.Kitchen/星の降る夜
11.Imaginary friends/透明な指輪
12.Crowd/白昼夢
13.Plant collection/妖精
14.Hanging Gardens/空中庭園
15.Sheep/羊
16.Head over heels/ピアノを弾く女
17.Everything spins around us /周り続けるその中で
18.Reuniting/再会
19.Tokyo/空白の夢 
20.Merry/雪の降る朝 

Movie

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